P日記兼SHT感想置き場のようなもの

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かにのめカナメ

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バレンタイン古キョン※みかん

直前の投稿になりそうなので、出来上がった分だけ上げてみる。
出来上がり次第、サイトと支部に置こうと思ってます。


バレンタイン用キョン古。のはずが、佐々木さん出ずっぱり。口調が結構あやしい。
実は以前書いた話の続きです。
暇つぶしにどうぞ!

『好きな人の幸せを願える幸せ(仮題)』



「おい妹よ、肝心なものを忘れてるぞ」
「あ、ほんとだあ。ありがとキョンくん。
いってきまーす」
「いってらっしゃいマセ」
台所にあった母がバーゲンから持って帰るのと同じ大きさの紙袋を妹に渡し、俺は弁当と小さな袋を一つカバンに入れる。ついでに牛乳を息継ぎせず飲み干した。
「ふう。いってきます」
慌ただしく働くお袋にはきっと聞こえていないだろうが、それで構わない。これは、いつもと変わらない朝を確かめる儀式なのだから。
「寒っ」
一歩外に出れば、自然と体がぶるりと震える。
大寒波が日本上空に停滞しているらしく、毎朝毎晩寒くて仕方ない。ご苦労なことだが、冬将軍には故郷に帰って欲しいものだ。
「今日は一段と寒いな…」
「それはマフラーを忘れてるからじゃないかな?」
「お、本当だ。サンキュ、佐々木」
って。
「佐々木?!」
「早く取りに行ったほうがいい。遅刻ギリギリになってしまうよ?」
「あ、ああ」
幸いにもマフラーは居間に置いてあったので、30秒もかかることなく玄関前に戻ることが出来た。
錯覚でも幻想でもなく、あいかわらず佐々木はそこにいた。
キャメル色のピーコートに黒いマフラー。上半身は暖かそうだが、長くも短くもないスカートから伸びる足が寒そうだ。
「おはよう、キョン」
「おはよう。」
「さあ、行こうか」
さっさと歩き出す佐々木を慌てて追いかけて、顔を覗き込んだ。
「どうしたんだ、こんなに朝早く」
「うん?君もわかっているだろう、今日が何の日か」
「ああ。最初はチョコが欲し過ぎるあまり幻覚でも見たのかと思ったよ」
「はは、面白いね。それじゃあ、幻覚じゃないという証拠にこれをあげるよ」
「サンキュ」
「ホワイトデー、期待してるよ」
「意外だな、お前がこういう行事に乗るなんて」
「そうだね、中学生の時はくだらないと思っていたよ。でも気づいたんだ。こういうイベントは、楽しんだ者勝ちだって」
「確かに」
俺もハルヒと出会ってから考えを改めたクチだ。
聖人さんには申し訳ないが、お気楽なチョコレート会社の策略にハマるのも悪くはない。
佐々木は本当に楽しさを感じているようで、目を弓なりに細めながら俺をみやった。
「今日もね、放課後に橘さんたちとバレンタインパーティーをするんだ。だからキョンには今のうちに渡しておこうと思ってね。」
「そっちもなんだかんだ言って楽しそうだな」
「君たちほどじゃないよ」
マフラーに顔をうずめ、佐々木はくつくつとのどの奥で笑った。
「ちなみに中身は生チョコだ。早めに食べることをオススメするよ。」
「わかった。放課後に頂くよ。」
「くつくつ、やっぱり昼休みは先客がいるんだね。いっそ一緒に登校すればいいんじゃないかな?」
なにか言おうとして開いた口は、空気を飲み込んで閉じた。否定するのは簡単だが、それはフェアじゃないしそんな嘘をつきたくはなかった。
口元までマフラーを引き上げて、白い息を隠す。
「朝早くに来たのはね、確かめたかったのもあるのさ。」
「なにを」
「ユノの籤引の顛末といったところかな。
そうそう、13日が月次祭の縁結びの神様がいるそうだよ。2月13日はさぞ混み合うことだろうね。宗教ちゃんぽんの日本人らしい流れだと思うよ。君には必要ない話だけれどね。
韓国では4月同日にバレンタインデーに縁のない者が黒いものを食べるというブラックデーがあるそうだよ。なかなか皮肉が効いてるとは思わないかい?ここまで来たらもはやなんでもありだ。小学生の時、女子の日男子の日オカマの日とはしゃいでいたのを思い出すよ。君には関係ない話だけどね。」
口が回ってるようで滑ってるぞ、佐々木。
「というか、俺への風当たり強くないか」
「独身者の僻みだと思っていいよ。まあ、今日君に会えただけで御の字かもしれないね。
ウァレンティヌスが必要になったら呼んでくれ、今のご時世で処刑はされないだろうからね。仲人くらいは務めようじゃないか。」
「俺に結婚願望はないぞ。」
「君たちの関係が世間的にも未来世界的にも歓迎されないのは事実だろう?ふふ、そんな顔をしないでほしいな、僕は祝福すると言っているんだから。」
終時からかう口調を崩さない佐々木に、俺はそっぽを向いて応えた。
「お前は何でも知ってるんだな」
「何でもは知らないよ、知ってることだけ」
「…………それは別の人のセリフだろ。」
「いやいや、これが中々便利な台詞なのさ。僕みたいな性格だと特にね」
「ふうん。」
そういうものなのだろうか。なんにしろ、俺のような人間には一生縁のない台詞だ。
「さて、名残惜しいがそろそろお別れだ。君は急いだほうがいいね」
「げっ」
言われて時計を見れば、始業チャイムの10扮前だった。
まだ地獄のような坂道にもたどり着いていないというのに。
「佐々木は大丈夫なのか?」
「うん、まあね。
それじゃあまた」
「ああ。チョコ、ありがとな」
走りだそうとカバンを肩にずり上げて、ちらりと振り返る。
佐々木は立ち止まって空を見上げていた。黒いマフラーが風に舞って、その顔を隠していた。

C

omment


T

rackback

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